各学部の最高学年の生徒が卒業してちょっとだけさびしい学校内ですが、たっぷりと採光の窓がある旧高等部校舎のホールに、ひときわ存在感を主張しているのは高等部の生徒たちが作った作品「ゲルニカ」です。
2、3年生の自立コース美術の授業でつくりました。よく見ると、台紙はただの新聞紙です。新聞紙を横に広げ、縦に5枚半ほどつなげて貼り合わせています。なので、高さは2.8mくらい。横は9枚分で6.5m強という大壁画です。
すべてを張り合わせ、白い下地を塗るところまでは担当の先生が作業をしました。そしてプロジェクターで本物の「ゲルニカ」を投影し、輪郭を線画として描きこむところから生徒が取り組みました。全体の工程を通じて、この作業が一番楽しかったということです。
あとは、白から黒への色の濃さを7階調にわけて薄い色からチョークで印を付け、彩色していったそうです。着手から完成まで、ほぼ1年の歳月を費やしました。
「ゲルニカ」はもちろん、ピカソの作品。最初は「こわい」「きもちわるい」という反応でしたが、「平和への願いがこめられているんだよ」と伝えました。大きさが大きさだけに、完成時には「やったー」という声が上がり、達成感も味わえたようです。